画家の江上里絵子さんの個展DMを作成しました。

江上さんは、具体的なモチーフを描きます。しかしそこに描かれるものはそのものとの間にある空気や空間など本来目に見えないものを描きだそうとされています。見て描くのではなく、手でさぐって触れるように目を用いて描いていると彼女は表現しています。

そんな彼女が描き出す世界を見る時、現実と空想の間の世界にたたずんでいるような気持ちになります。全部を見ているようで、見ていないのではないか。物を見る時の自身の視点をあらためて見つめなおしたくなるような作品だと感じました。

今回のDMデザインでは、作品を楕円でトリミングしています。本来DMですと、どんな作品なのか、絵の全容をみせたいところではありますが、今回はDMでその全容を明かしたくはないとも考えました。彼女の世界を、少しだけ覗き込んでいるような感覚になってほしい。そして展覧会で全容を感じとる、そんな体験になればと思いデザインしました。