JOURNAL

2022.09.10

_探訪

福井のものづくりを訪ねて

福井のものづくり

現在福井県の事業で、商品開発のプロジェクトを進めています。先日プロジェクトを率いてくださっているTSUGIさんのご案内で、参加するデザイナーさん達と、つくり手の皆様の元を訪ねました。(見学のご協力、本当にありがとうございました。)

現在は1社のみとなった、若狭めのう細工。めのう石は非常に硬度が高く、加工にも長い時間と高い技術が必要になります。

若狭パール。真珠の養殖は自然の環境に大きく影響され、近年貝の死滅などが大きな問題となっています。自然が産み出すこの玉は、貝がもつ7色の光を取り込み白く輝いています。あらためて、真珠が自然のめぐみであるということを感じました。

越前打刃物の工房が集まるタケフナイフビレッジ。80年代に刃物組合とプロダクトデザイナーの川崎和男さんとブランドを立ち上げ、それぞれが投資を行い共同工房を作り上げました。近年もその意思を引き継ぎ新たなショップ&ファクトリーが作られています。

越前は和紙の産地として栄えており、手漉きから機械漉き、その後加工をするところまで様々な会社が集まっています。機械漉きの和紙に手揉みのシワ加工をする工程や、手漉きの現場を見学しました。

そんな和紙の産地には、岡太神社・大瀧神社という紙の神様が。敷地はとても広く、荘厳で神聖な雰囲気が漂います。社殿の屋根はとても複雑で、見応えがありました。紙の神様にお参りできたことがとても嬉しかったです。

最後に漆器の塗装を見学しました。漆器の産地である鯖江では、分業制で漆器に関わる様々な会社が集まっています。

ものづくりのある地域

今回は福井のうち若狭・武生・鯖江を訪れました。福井県はものづくりの企業が本当に多く、これぞ「産地」だなぁと思います。

地元の奈良県には様々な産業がありますが、育った町には産業がなく、幼い頃はものづくりが身近ではありませんでした。隣町は靴下の産地として栄えていましたが、実際にその現場を見れたのは、社会人になってから。商品開発に携わる仕事ができたからこそでしたが、そうでなければ今も地元でのものづくりをあまり知れていなかったと思います。生活の中で使っているものが、人の手によって生み出されていることはなんとなく頭で理解していても、実際に現場を見て感じると、見える世界は大きく変わります。

今回の福井ものづくりツアーも、様々な現場を見ることで、福井の歴史や風土、ここまで築きあげてきた、つくりて達の覚悟。それを担う今の人たちの想いが感じられました。現在は福井県のRENEWや、新潟県燕三条の工場の祭典など、ものづくりの現場を一般に公開するイベントが盛んになっています。作る現場を見ると、そのものがより愛おしく感じられます。

今回案内してくださったTSUGIさんはRENEWの運営を長年行われており、今年は10月7日〜9日に行われます。燕三条の工場の祭典も同じ期日で開催です。

まだ行かれたことのない方は、ぜひ一度福井に足を運んでみてください。