JOURNAL

2023.04.19

_探訪

dddギャラリーへ

春は展示が豊富ですね。京都では「KYOTO GRAPHIE(京都グラフィー)」が4月15日から始まりました。写真に興味津々の我が家は、パスポートを買って頑張ってめぐっていますが、KG+も含めるととてつもない量の展示が開催されているため、どれだけ回れるか…。写真表現だけでなく展示空間や展示方法など見応えのあるものが多く学びになるため、なるべく回りたいなぁと計画中です。

さてさて、今日はdddギャラリーの展示について。

大日本印刷さんのdddギャラリーは、入場無料で様々なデザインの展示が見られるため、学生の頃からいつもありがたく観に行っていました。

デザインを学び始めた学生の頃からも、大阪・心斎橋→京都・太秦→京都・四条烏丸へと移転されていますが、どの会場も足繁く通いました。現在はとても行きやすい場所にできたので展示が変わるごとにみにいけて嬉しいです。

現在開催されているedition.nordさんの展示が、とても面白かったです。

edition.nord (エディション・ノルト)は、デザイナー、秋山伸の故郷、新潟県南魚沼市を拠点に、全国から気ままに訪れる協力者たちと共同生活をしながら、ネット通販で素材を調達し、YouTubeなどで加工法を調べ、オフィス用複合機で印刷する、というユニークな手作りの本づくりを特徴としています。
京都dddギャラリーのWEBサイトより引用

本やパンフレットなどの制作物ができるまでの工程や、紙などの素材、1つ1つ紙を繋げてつくられた展示ポスター、CD、パンフレットなど様々なものが展示されています。コレクションされている様々な方が作られたアートブックも展示されており、見応えがあります。

書店に並ぶ本の多くは、様々なデザインであふれているものの、規格のサイズで綺麗に棚に収まるものが中心だと思います。この展示に並ぶものたちは、いわばDIYの本ともいえるような、手仕事にあふれたものばかり。機械で作られたものは、整然と美しい仕上がりでもありますが、手作業で作られた本には、手でしか作り出せない、物としての存在感や、良い違和感があります。

昔、卒業論文の一貫で本を作った時に、自分でハードカバーの製本をしたことがあります。その時は、売っている本のように綺麗に作りたいと思いながら、手作り感がでてしまった仕上がりにちょっと悔しい気持ちを抱いていました。しかし、もっと手作りであることを魅力に感じられる本の作り方もあったのだなと、この展示をみながら感じさせられました。

様々な既製品を用いながら、工夫されて作られる制作物たちから刺激を受け、自身も何か本を作ってみたいなとわくわくしながら妄想を繰り広げていました。AIが発達していく中で、こういった身体性を含んだデザインが、今後は人間にできるデザインとして大きな意味を持っていくようにも感じました。

また展示会場が行くたびに入れ替わるという有機的な展示もとても楽しく、既に2回は訪れました。本だけでなく、いろんなアイディアのヒントがもらえる展示だと思います。まだ5月21日までと会期も余裕がありますので、お近くの方はぜひのぞいてみてください。